第23回 朗読会を開催しました
2025年06月02日(月)
〜2025年06月02日
(月)
:00〜:00
5月25日(日)に「第23回 朗読会」を開催しました。
前日の夜から降り続いた雨も上がり、思いがけず過ごしやすいお天気の中で、たくさんの方にご来館いただきました。
初めてご参加いただいた方にも、みやしろ朗読の会さんの言葉の世界を大いに楽しんでいただけたのではないかと思います。
マーガレット・ワイズ・ブラウン作『たいせつなこと』では、絵本の挿絵を見せながら、この世のすべてにはアイデンティティがあり、取るに足らないものなどないことを穏やかな朗読で伝えてくれました。
向田邦子の著作からは、戦時中の家族が末の子を思いやる苦しくもあたたかい『字のない葉書』と、一転して著者の飛行機への尋常ならざる恐怖心をユーモアたっぷりに綴った『ヒコーキ』の二作を語っていただきました。

ここで優しい音楽が流れはじめます。工藤直子著『じぶんのための子守歌』よりいくつかの作品が朗読されると、会場はその世界観に引き込まれるようでした。
また雰囲気が一変し、松谷みよ子による民話『絵に描いた嫁さま』の、美しいお嫁さんをもらった貧乏な青年が知恵をもって殿様を出し抜く愉快なお話や、自身の鎧兜を貸してしまったことで窮地に陥り、姿かたちの与える印象がどれほど大切であるかを実感する菊池寛の歴史小説『形』などが朗読されました。
最後に落語から『王子の狐』が読まれると、人と狐の化かし合いや思ってもみない展開に、会場からも堪えきれない笑い声が聞こえてきました。
今回も充実した内容の朗読会となり、終演後のみなさまの明るい笑顔も印象的でした。
次回は2025年11月に開催予定です。