第24回 朗読会を開催しました
11月30日(日)に「第24回 朗読会」を開催しました。
日に日に寒さが増していくこの頃ですが、この日はお天気に恵まれてたくさんの方にお越しいただきました。
今年で活動35年となる「みやしろ朗読の会」さんによって、7つのバラエティー豊かな作品が読まれました。
リヒャルト・レアンダー作『魔法の指輪』は、指にはめて回しながら願えば、どんな願いもひとつだけ叶えてくれるという指輪を手にした、善人と悪人の行く末を描いています。
どんな良いものでも悪人が使えば悪いものに、特別なものでなくとも善人が使えば良いものになるという教訓が得られました。
いもとようこ作『いとしの犬ハチ』では、みなさんご存じ渋谷駅前の銅像「忠犬ハチ公」のモデルになったハチと、先生の固い絆に胸を打たれました。
韓国の昔話から『三年峠』が朗読されると、「一回転べば3年で~」と軽妙な語り口が和やかなムードを作り上げます。
川端康成作『化粧』では、斎場の厠と向かい合った私のうちの厠から見える情景を、白菊の匂いも少女の慟哭もはっきりと想像できるよう語ってくださいました。
芥川龍之介の著作では、『トロッコ』で少年の土工への憧れとまだ幼い里心の間で葛藤する冒険にハラハラしたり、『仙人』では仙人になりたい男が奉公先の医者の妻に言いくるめられながら、とんでもない結末を迎える話に笑いが起こりました。
有吉佐和子作『青い壺』は当館でも予約多数の人気作品ですが、その中から第六話を抜粋し、とある夜に銀座の小さなバーで巻き起こった、ちょっとした騒動を朗読していただきました。
全編は青い壺が持ち主を転々とし、そこで起こる人間模様を描いた作品です。
今回は昔話や名作から話題の一冊まで、多様な作品を朗読していただきました。
自分で本を読む時とはまた違う、リズムや声色など耳で楽しむ物語の世界を体感できたのではないでしょうか。
次回は2026年5月に開催予定です。



